ノラネコの呑んで観るシネマ

お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.2
これはなかなか良かった。
結婚五十年を目前にしながら、定年後のライフスタイル変化に適応できないでいる夫婦。
ある日、妻が葬儀社が主催した終活セミナーに行ったことから、人生の”思い出“について考えはじめる。
熟年夫婦と娘のエピソードに、父親との確執を抱えた葬儀社の若手社員のエピソードが絡み合う構造。
映画の前半は各キャラクターの話が漠然としたまま進んで行くのだが、中盤のある事件をきっかけに、それぞれのディテールが味わい深い家族のドラマに収束してくる。
登場人物がどこにでもいる普通の人に設定されているので、誰でも感情移入出来るし、高齢の親を持つ身としては、色々興味深い内容だった。
「生まれ方は一つだが、死に方は無数」は、その通りだな。
フォスターペアレントの話なんかは、ウチの親も80年代にやってたので、なんか親近感。
とりあえず思い出はカタチにしておいた方がいいかも?ということと、年齢に関係なく、自分が死んだ時のことは考えておこうと思った。
「人間は生まれた時より、死んだ時の方がずっと大変」だそうだから。