Kaito

すばらしき世界のKaitoのレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.3
Amazon primeにて見放題作品として配信されており、prime内でも話題になっていたので、鑑賞。刑務所あがりの三上が出所後に社会に出ていく様子を描いた実在の人物をモデルにした作品。旭川の刑務所から出所するシーンはこの前観たバッファロー66を彷彿とさせるように見え、少し興奮した。それはさておき、ストーリーについてだがこの話は2つの意味で終始暗い。内容が暗いのと、映像が暗いことである。終盤三上が働きだした辺りは少し希望が見え明るく感じたが、最後は三上が死ぬ場面で終わる。最後は明るくなるかなと思っていた自分が嫌になるくらい暗い終わり方だった。それなのにこの映画のタイトルは『すばらしき世界』である。全編を見終わった私にはもはやこのタイトルは皮肉にしか聞こえない。元犯罪者、ヤクザだから仕事ができない、仕事ができないから生活もできない。毎日何気なく大学に通い、生活をしている私にとってはこのシーンは刺さるものが多く、あまりに辛く、目を逸らしたくなった。それでもそのような人たちにとっては未だにこの社会というのは生きづらいものなのである。しっかり毎日意味を持って生きるということの大切さを身をもって教えられた、そんな気がした。
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