このレビューはネタバレを含みます
なんでや!犬は何も悪くないやろ!😭
■
というのは置いておいて、分からないところや突っ込みどころは多々あれど、結末を除けば結構好きな作風。
画面的な美しさはおろか理想的な性格の人物も一切出てこないからこそ登場人物それぞれの中にある微かな情のようなものが人間性として魅力的に映りました。きっとそれらが、場面によってはその人の長所となり短所となるんだろうな。
私は犬連れてきた女性が一番嫌いでしたが、彼女もきっと、ペットを飼うことで自分に生じた責任や、同じ階層の人間への気遣い(死に方に表れている)なんかを捨てられなかった人だった。自分の思う幸せを他者に押し付けるタイプで面倒臭くはあったけれど。
突き詰めれば、原初の問いは今この時に「生きるか死ぬか」で、どの選択が無駄になるかは未来に待ち受けるものにかかっている。
自分の身に降り掛かるかもしれない1%の最悪をゼロにするために必要な思考ができるだけの柔軟性を持ちたいですね。
あの場に置かれた時に自分がとるであろう行動が、現実において今この時の自分の在り方に多かれ少なかれ直結しているかもしれないなと少し怖くなってみたり。
しかし皆さん仰っている通りラストが本当に残念でしたね…。未来を変える希望のメタファー的な意味で子供を使ったんでしょうが、あれが結局「上」で誰にどう影響するのか、風刺として描いている本作でそれをご想像にお任せしますしてしまうと何の訴えにもならないのでは?