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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像のCのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

英語の原題に要らない日本語を足す意味。ワン・ラスト・ディールに不足はないじゃないか。

美術商の老人が見つけたサインの無い人物画を巡り、物の価値とは?の答えを静かに問うて来る話。フィンランドきれいだな!

その絵は実は10万€は下らない名画なんだけどサインがないし、図録にもタイトルしか載ってないんで「高名な画家の幻の名画である」証明が出来ないわけ。つまりそれさえ出来れば有名になれるし、バイヤーに売ればガッポリや!

なので疎遠だった娘の息子(孫)とそれを突き止め、証拠を手に入れ、金品を売り払い孫と友人に借金までしていざオークション!そして落札!ヒャッホーイ!っつって(言ってない)たら、バイヤーまさかの心変わり。あれが名画だと気付いた出展者の策略だったんだけど、もう店を畳む事にしたジジイ。

孫から来たハガキに目を細めてたらミレスゴーデン美術館から電話。ジジイが出した「作者はなぜサインをしなかったのか」に対する館としての見解…作者はあれを聖画として描いた(聖画には普通サインしない)から。個人よりも全体、誇示よりも謙遜を選んだから…を聞き、黙り込むジジイ。

片付けの最中に倒れるジジイ。

ジジイの死後、絵の裏に自分宛ての封筒を見つける娘。絵は孫に遺す事、仕事一筋で自分勝手が過ぎた事。疎遠だった父親からの後悔と謝罪の手紙を撫で続ける娘。娘は肖像画を持って息子を学校に迎えに行く。エンドロール。

□6点‼︎!のくだりでジジイと同じタイミングで涙ぐんでしまった。良かったな、ジジイ、娘ともそうあれたらもっと良かったのにな。
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