良くも悪くも「何を描くか」ではなく「どう描くか」に終始している印象。
チェスに興じる騎士と死神。
旅芸人一座の微笑ましい日常。
終末思想から狂乱に陥る村の人々。
並々ならぬ緊張感に満ちた居城での晩餐。
丘の上で繰り広げられる“死の舞踏”のロングショット。
どれも見ようによっては滑稽だが、とても絵画的な魅力で溢れている。白と黒のコントラストが良い。
しかし、俺の足りない頭では、ベルイマン先生が仰る“神の存在”の領域まで完全に理解することはできなかった。
ぶっちゃけ、大してキリスト教に造詣が深いわけでもない日本人がああだこうだと深読みするような映画ではない気がする。
牧師の家系に生まれ、独自の宗教観を持つベルイマンという映像作家が1957年に撮ったからこそ評価されている映画。
仮にそっくりそのまま同じ映画を松本人志が発表したら、きっと一般の人たちも有識者もクソミソに酷評していると思うよ。