藍住

海辺のエトランゼの藍住のネタバレレビュー・内容・結末

海辺のエトランゼ(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

60分でやり切る内容ではなかったかな。
もう少し時間をかけてじっくり描いて欲しかった。
レズビアンのカップルが出てくるのも良かった。
欲を言えばキスシーンまで入れてレズビアンのカップルと示して欲しかったが、恋人と言っているのでそこは及第点。
キャラデザも凄く好みで作画も良い。
特に髪の毛の繊細さがとても素晴らしく、美しかった。

ゲイの子が過去に同級生に冷やかされるシーンでわざわざホ◯という言葉を使っているのが古すぎる。
現実にそうやって冷やかされて嫌な気持ちをして傷ついているゲイの人なんていっぱいいるのに、どうしてその人達を敢えて映画の中でも傷つけるのか?
その人達は「映画だから大丈夫」なんて言うとでも思っているのだろうか?
あのシーンが例え原作にあったシーンだとしても、脚色せずに映像化したのもださいと思う。
ホテルでひそひそ噂話されるところも悲しかった。
そういうシーンをわざわざ描く必要はない。
それが必要だと思って入れたのだとしたら、その時点でそこにセクシュアルマイノリティの視点なんてものは存在せず、マジョリティ(ここで言うとヘテロセクシュアル)の特権を行使していることを製作陣はいま一度考えるべき。
前半で駿が「男と恋愛すると幸せになれない(意訳)」と零すのも悲しかった。
そういうことを言わざるを得ないセクシュアルマイノリティを映画の中でも観ると心が折れそうになる。
そういう要素ではなく、普通に恋愛をして悩んだり喧嘩したりする物語が観たかった。

また、駿が元許嫁の桜子に「これで最後だからキスしてよ!」と言われたのを見て駿を突き飛ばして実央が桜子にキスをするシーンはキツかった。
最後だからキスしてよとせがむのもどうかと思うが、好意を1ミリも持っていない相手からキスをされる桜子の気持ちを考えたことないのか?
あれがロマンチックなシーンだとでも?
私はそうは思わない。
それとこれは話は別である。
藍住

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