いや〜良いです。
劇場で4回も見た初めての映画に。
趣味を共有できる事や話が尽きないような関係性はそりゃ最高だよなぁ〜と再認識させてくれる作品。
それでも時を重ねたらすれ違っていく部分も当然出てきて、同じ関係性ではいられないのが現実。
麦のセリフで「現状維持」というセリフが出てくるけど、それだけで乗り越えられるほど変化していくモノを維持するのは簡単じゃない。
そんなリアリティーを道中の展開からも感じられ、深く刺さりました。
「責任」や「重圧」を共有して生活していくには、以前よりもっと大きな心で相手を「想い」相手からも「想われない」とその立ち位置を維持出来なくなるはず。
その様な残酷な現実をシンプルな形で示していくのが後半戦。
ファミレスのシーンも男側はあれをやってしまいがちで…
もう無理っぽいからこそベクトルを変えて再構築したくなるものの、それが相手にもわかってしまうため尚一層痛々しい。
そして、だからこそあの場面の「苦しくも愛おしい」話し合いは共感できる方も多いはずで、哀愁漂うシーンに仕上がっていた。
また、この作品は当該シーンのあとに続くエンドロールまでの流れが特に秀逸。
あそこに物語が収束していくからこそ、最も納得感が得られる。本当にあの終わり方で良かった。
最後にキャスト。
主演の二人が共に抜群過ぎて、言う事無し。
菅田将暉は本作も普遍的で自然な魅力を全開にしていて「糸」と同じようなはまり役。喜怒哀楽の感情全てを余す事なく見せてくれている。
対する、有村架純は少し癖のある感じが普段とは異なる魅力を感じさせつつも、相変わらず最強に可愛い。
どこにでもいそうで、でも絶対にいないような、こんな娘がいて欲しいなぁ〜と思わせる絶妙なライン。
両者の役柄は俳優それぞれが持つ特性を最大限に活かしているので流石の脚本坂元裕二、監督土井のタッグ。
「麦と絹」の飾らない空気感や雰囲気は、同い年であるこの二人だからこそ出せた素晴らしい感性の質感が満載であり、それが坂本裕二の脚本とマッチ。最高に共感できる恋愛映画として語り継がれる名作。
