Inagaquilala

花束みたいな恋をしたのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.1
冒頭に登場する映像作家をはじめ、数々のサブカルのアイテムが劇中には散りばめられてはいるが、それがいかにもマーケティング的な仕掛けに思えてならなかった。こうすれば興味を引くだろうという「下心」が見え透いてしまうのだ。そして、何より、恋人同士となる2人に、それらのアイテムがしっくりと身についていないのも気になった。監督はそれなりに丁寧な仕事をしているのだが、脚本のあざとさがひっかかって、このカップルの恋愛譚に、まったく入り込めなかった。

もしかしたら自分の年齢も関係しているのではないかとも思ったが、それを考慮しても、やはりサブカルのアイテムで「修飾」された、このありきたりの物語についていくのは無理かもしれない。脚本がどこまで、これらのサブカルのアイテムに思いを抱いているか、はたまた単なるファッションとして取り込んでいるのか、推し量ることはできないが、それらを剥ぎ取ってしまうと、ほとんどなにも残らないラブストーリーであることも確かだ。数少ない若手の演技派である菅田将暉には、少しフィットしない作品だとも思った。
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