はれぱん

花束みたいな恋をしたのはれぱんのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

話題になっていたけど映画館行きそびれて、ネトフリで配信始まったのでようやく視聴。

まず、2人の出会いは偶然の一致の重なりだった。数えきれないほどの人がいる東京でたまたま同じ日に同じ終電逃した人がそれって、恋の始まりって奇跡みたいなものなのかなって思った。
しかも、相手のことを気になり出したら、共通点って目立ってくるよな、見つけちゃうよなって。そこで運命だって感じちゃう。恋の始まりの最初のドキドキがあるあるだった。

学生から社会人になって、それぞれが環境や思いが変わって、変わっていく中で変わらないって難しいんだなあって思う。
2人がすれ違っていくのは、あと一言言えれば、我慢をやめて本音を伝えてれば、っていうのが、どんどんどんどん大きくなっていった。見ているこっちはそう思うけど、一般の恋愛ってこんな感じで本人たちはその時は気付かないよね。
麦くんの読む本が変わっていっちゃったり、映画や舞台の時間に興味なくなっちゃったり、好きとかいいね!が共有できなくなってくのが辛かった。そういう意味では、好きが同じより、苦手・嫌いが同じ方が変化にも耐えられて上手くいくのかな。(信号のシーンで白いジーンズとかUNOの指摘嫌いって言い合ってたけども)

個人的に1番辛かったのが、2人で焼きそばパンを頬張ったパン屋さんがお店たたんでたことを絹ちゃんがLINEで報告したくだり。「駅前で買えばいいじゃん」って、パンが欲しいんじゃないよって、2人の思い出のお店忘れちゃったの?何も思わないの?って、麦くんはそれどころじゃない状況だったけど、悲しくなった。しかも、最後にその報告のことすら覚えてなくて、Google MAPで確認してたシーン、最後のハッピーエンド?笑い?伏線回収?な感じだったけど、ちょっと寂しくなった。

そして、最後の結婚式〜ファミレスの場面はしんどかった。「別れよう」ってどっちもまだ明確には言ってないのに、思ってることはふたりとも同じで通じ合ってしまうのが…。長い時間を過ごしてきて、言葉を交わさなくても同じこと考えてる!ってことが増えたのに、それが原因で(相手も同じ気持ち、わかってるって思い込んで)すれ違って、でも最後はまたそれでお互い最後の1日を楽しく過ごしちゃう。
近くには自分達の4年前を見るかのような2人。どこからこうなっちゃったんだろうって考えちゃうよね…。
同じようなシーンが2人にもあったのに、その時は初々しくキラキラしてて、最後のファミレスは貫禄?大人びてくたびれて見えて、2人の演技力に脱帽。

明大前や渋谷とか知ってるとこ出てきて、リアルな世界が舞台ってなんかほんとにそのあたりで麦くんも絹ちゃんも生活してそうな気がしてよかった。あんなイケメンと美人は近くにいないけど、どこかにいそうと思わせられるのが、さすが坂元作品。
きのこ帝国久しぶりに聴こう〜。
あと、タムくんに私も似顔絵描いていただきたい!
途中の映像がちょっとフィルムっぽかったり、これがエモか〜。有村架純ちゃんとにかくかわいすぎる。

また数年後とか、自分の環境が変わってから見たら、思いも変わりそうな作品。

最後に。「女の子から花の名前を教わると一生忘れられなくなる」って台詞。毎年花が咲く季節にその人を思い出すということ。これから忘れられたくない人には「花の名前」を教えよう。