爆裂BOX

フロッグの爆裂BOXのネタバレレビュー・内容・結末

フロッグ(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

このタイトルとジャケからカエル男な殺人鬼が暴れるスラッシャーかと思ってたらひねりのきいたどんでん返し系サスペンスでとても楽しめました。
少年の誘拐事件が発生し、現場には過去に起きた連続少年誘拐殺人事件で使われた刃物が発見され、更に担当刑事の家では奇妙な出来事が頻発していくというストーリーですが、前半45分は妻が浮気して息子をブチギレ状態で夫も寝室を別にするような冷え切った刑事の家庭で、妻のお気に入りマグカップや銀食器が無くなったり、刑事の夫がクローゼットに閉じ込められたりテレビが勝手についたりと怪現象が続出します。これは幽霊屋敷ホラーかなと思ってたら押しかけてきた妻の不倫相手がマグカップ頭に当てられて負傷し、更に何者かに殴り殺される辺りで家の中に不審な人影も現れてホーム・インベージョンスリラーかなと思わせるんですが、ここからの後半45分で別視点から前半の怪現象の謎がドンドン解けていく構成は気持ちいいですね。「あれはそういうことだったのか」と。更に誘拐事件はどこ行った?と思ってたらそれについての真相も明らかになっていく所も良かったですね。前半で描かれたなかに描かれてなかったシーンの存在も後半明らかになっていく所はちょっとずるいかなとも思いましたが。ここで出てくる人物が行動とかサイコパスぽいなと思いましたがちゃんとそれにも理由があったんですね。勘のいい人はすぐ読めると思いますが。前半と後半で主人公というか中心人物が大きく変わっていくのも面白かったです。あの犯人も過去の事件で冤罪で犯人捕まってるんだから大人しくしとけばいいのに連続殺人鬼は衝動抑えられないんだなぁ。証拠の刃物落としていったのは迂闊すぎですがアレもわざとなのかな?シリアルキラーに良くある自己顕示欲的な。最後の「子供の頃に辛い目にあったんだ」→「そんなの興味ない」はちょっとスカッとしました。
これは事前情報なしで見るべき作品ですね。ホラーだと思ってみた方が騙されやすいかも。