フロッグのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

前半と後半で同じ時系列を繰り返すのだが、ホラー風味の前半に撒いた伏線をサスペンス風味の後半できれいに回収していく。そうして前半とは違った側面が見えてくる…といった話。とにかく脚本が良くできていて、この構成ながら全くダレることがないし、細やかな伏線と鮮やかな回収が素晴らしい。100分弱と短時間にまとめており、余計な描写もなく、最低限かつ必要十分な状況説明で全てが推測できるようになっている。ポスターから完全にB級ホラーだと思って観ると完全に裏切られる、良くできた映画。

実は連続少年誘拐殺人犯であった一家の父親について、もうちょっと後半に内面描写が入ると良かったのかもしれない。が、あくまでも後半は侵入者である少年目線なので、この少年からすれば「過去に自分を誘拐し酷い目に合わせた得体の知れない男」のままでも良かったとも言えるかも。一家の父親をクローゼットに閉じ込めたイタズラも、事実がわかってから見れば完全に自分がされたことを再現したとわかる。ということは小便をかけたのも、あいつにやられていたことなのだろう。などと、とにかく脚本が本当によくできているのである。

不倫妻であるヘレン・ハントの見た目がちょっとおばあちゃん過ぎたのが残念だったなぁ。