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すべてが変わった日のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

すべてが変わった日(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

DV男と失踪した娘と孫を探す、老夫婦の話。

なかなかシリアスな話から始まる本作ですが、主人公が老夫婦という事もあって、序盤は意外と牧歌的なムード。
このまま娘と孫を探す旅を通して、老夫婦が心を癒すヒューマンドラマが展開されるのかと思いきや…。
DV夫の家族を突き止めたら、キチガイ一家で、さ~大変!…という事態になっていきます。

このキチガイ一家が絶妙な不快さを放っていて、一見すると、歓迎している様にも見えるのだけど、言葉の端々に差別的なニュアンスがあって、本当に嫌~な感じなんですよね。
家父長的な女性蔑視の価値観を持ちつつも、一家の家長が母親というのもグロテスクだし、一家と老夫婦が食卓を囲うシーンに至っては『悪魔のいけにえ』を思い出しましたよ。笑

その後も、老夫婦の寝床を襲って、妻を殴るわ、夫の指を切断するわの大暴れ。
流石に傷害事件だったら警察が動くだろうと思ったら、よく分からない理由で警察はスルー。
何かしら法的な手段に訴えれば良さそうな気もしますが、1960年代じゃ法も整備されていなかったのでしょう。

そんなこんなで、最終的には夫が捨て身の殴り込みから、一家を皆殺しにしてハッピーエンド。
まぁ、惜しくも夫は犠牲になってしまうわけですけど、何もしてあげる事が出来なかった息子の時とは違い、今回は確実に愛する人を守る事が出来たわけですから、満足して逝けたんじゃないかな~。

ジャンル的には、サスペンスやサイコスリラーとも言われてますが、個人的には『悪魔のいけにえ』に近い、ホラー映画と言っても良い作品かなと思います。
文学作品っぽい雰囲気がある一方、ジャンル映画的な受容も全然出来るので、ライトな映画ファンにも気軽に見て欲しい作品ですね。
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