こなつ

カモン カモンのこなつのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
4.0
「ジョーカー」で狂気を見事に表現したホアキン・フェニックスが、今回の作品では妹の子供である9歳の甥を数日間預かることになり、戸惑いながらも面倒をみる独身男をどう演じるのかとても興味深かった。

好奇心旺盛なジェシーは、子育ての経験のないジェミーを困らせてばかりだが、ラジオジャーナリストの伯父の仕事に興味を持ったり、甘えて我儘になったり、ぶつかり合いながらも次第に相容れそうにない関係の距離が縮まって行く。

ホアキン・フェニックスは、入念に役作りをする俳優だと認識していたが、ジョニーは何処にでもいる普通の伯父さんで、ホアキンの素が見え隠れしていると思わせるくらい、自然体だった。

モノクロ映像は、会話に集中できるし、俳優の表情が良く見えて楽しめた。そして新星ウディ・ノーマンの天才的演技にはただただ驚かされた。

エンドロールで流れる子供たちのメッセージが胸に沁み、温かな気持ちにさせてくれた良い作品だった。
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