叔父さんと甥という、ある意味遠慮ない距離感が良く出ていたように思いました。
まだ『大人の常識』に染まりきっていないジェシー、その言動に振り回されつつも、自ら削ぎ落として来た(あるがままの自分)を思い出していくジョニー。
子どもが気づかせてくれる事、救ってくれる事、私も思い当たる節が沢山ありますので、うんうんと頷きながら観賞しました。
ホアキン演じるジョニーの、優しく思慮深い佇まいが何とも素敵。あれは素なのか演技なのか。ジョーカー役とは真逆の役だけど、全く演じてる感がなくて、自然体で。ジェシーが放つ、返答に詰まるような質問にも、冷や汗かきかき真摯に答えとようとするジョニー…可愛いかった。ホアキン・フェニックスの演技力の幅広さも堪能出来ました。
ジェシーの、自分の好きな事を追求していく様や、時折ふっと見せる寂しそうな表情も可愛かった。お父さん、お母さん大好きだからこそ、親が大変な時には甘えたり迷惑かけられない…と彼なりの葛藤もあるのでしょう。
子どもも大人も、精一杯生きていて、それぞれ皆愛おしい。
しみじみとそう思わせてくれる、良い映画でした。