キャサリン

カモン カモンのキャサリンのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.8
ギンレイホールにて。
色々な要素が散りばめられていて、掴みどころを見つけるのが難しかったのだけど、とてもすてきな映画だった。

ジョニーとジェシーは「叔父」と「甥」であり、「大人」と「子供」であり、そしてそれ以前に「人間」と「人間」である。

これまで多くの子供にインタビューをしてきて、対・子供の付き合いには慣れていたはずのジョニーが、ジェシーに対してはかなりの悪戦苦闘。
インタビューで相手の世界を覗くことはできても、一緒に深みまで共有することはできない。だからこそ無責任…みたいな話が出てきたけど、「ジェシーと過ごす」ということは対・子供でなく、互いに深みまでハマらないといけない。「子供」として都合よくコントロールするよりも、人間対人間として対等な付き合いをすることが重要で。

子供たちにだって「訴え」がある。
それはジェシーからも読み取れたし、各都市の子供たちのインタビューからも理解できる。
「子供」なんて、大人が自分たちよりも小さな人間につけた呼称なだけで、それぞれが立派な一人の人間として自立していることを思い出させる。

モノクロの映像は、色という情報を取っ払うことで、世の中の身近な対立関係をも実は白と黒でできた対等なもの、と見せているようで面白かった。
もう一度じっくり観たい映画。
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