てんしの

ミッドナイトスワンのてんしののレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
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原作未読なので少しわかりにくい部分はありましたが、ナギサさんやイチカ、リンの生き辛さにキリキリさせられ、どうにかもがいてるのにそれぞれの家族や環境にどうしようもなく翻弄されるのがもどかしくて辛かった…!

イチカとリンの関係が本当によかった…リン………………………
イチカとリンのバレエがシンクロするシーンが素晴らしかった…………。リン…………。

草彅さんの熱演というか、「草彅さん、本当にトランスジェンダーの方?」というぐらいの自然すぎるハマり具合が凄まじかったです。
記事にもありましたがナギサさんに同化していて、「演技している」のではなく「完全にナギサという人物」でした…!

イチカ役の服部樹咲さんも初演技・初主演ということですが、そんな字面からくる初々しさを感じさせない、ベテラン揃いの中でも一際存在感を放っていました。
奇跡のキャスティング…監督の審美眼?がすごい…


役者の演技、演出、カメラワーク、どれをとっても最高でしたが、少し気になったのはマイノリティの扱い方…
こんなにも「LGBT」という概念が浸透してきているのに、結局エンタメ的な不幸演出のダシのような扱いがなんだかなあ…という感じでした。
製作陣の「どうにかLGBTというものを上手く落とし込みたい」という努力はひしひしと伝わってはきました。

LGBTという概念を日本がまだ本質を理解しきれていない、成熟しきっていないんだな…と。
私自身もそうなので、もっと積極的に学んで考えて寄り添っていかないとなと反省させられました。
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