このレビューはネタバレを含みます
1951年のロンドン。
ポーランド系ユダヤ人のドヴィドルは類い稀なる天才ヴァイオリニスト。
デビューコンサート前日、忽然と姿を消してしまう。
時代は第二次世界大戦、ヒトラーの魔の手がユダヤ人たちに伸びようとしている。
そんな中、父親は9歳のドヴィドルの才能を開花させたいと願う。
父親は危ないポーランドに帰ってしまう。
物凄く勝気で自尊心が高いドヴィドル。
しかし別れ別れになった家族との悲しみや、危険なポーランドにいる家族を思う気持ちを隠すかのように見える。
突然姿を消したドヴィドルを兄弟の様にして育ったマーティンが探し求める。
なぜ突然いなくなったのかが後半分かるのだが。。
あまりに切なく衝撃的だった。
強制収容所など、亡くなったユダヤ教の人達を歌で記憶すると言う。
「口頭伝承」は歌い切るのに5日はかかる。
この事実を知ったドヴィドルの大きな心の変化。
35年ぶりのロンドンでの失われたコンサートで奏でたヴァイオリンが胸に響く。
原題「The song of names」
この題名の意味が物語っている。
フランソワ・ジラール監督作品