篠村友輝哉

由宇子の天秤の篠村友輝哉のレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
4.5
「正しく生きる」ことがいかに難しいかが、ドライなタッチによるリアリズムで描かれる。多くの人が「正しさ」や「強さ」を保てるのは、所詮はそれが問われる状況に追い込まれない立場にあるときまでであり、当事者になった途端、それは脆く崩れるのかもしれない。高みの見物で世の事象や間違った人々たいして「正しさ」を語りカメラを向ける前に、自分自身にこそ常にカメラを向けなければならないのだろう。追い込まれたときにも揺るがない正しさや強さは、そうすることによって獲得できるのだろうか。
篠村友輝哉

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