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アントマン&ワスプ:クアントマニアの商店OSHIMAのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

素直に楽しめた。というの自体は間違いないのだが。大きな理由の一つは、圧倒的なVFX、もう一つはスピード感。気になるところはあったが、正直これ以上のクォリティを毎回求めるのも酷だろう。

ただ、気になったところは、カーンをもっと得体のしれない人物として描くべきじゃないのかという疑問だ。少なくともサノスにはそのような描き方がされていた。得体のしれない宇宙の強敵への恐怖感だ。例えば、我々人類は100年前、今のようなスマホやインターネット、ドローンなど想像出来たかといえば、できてなかっただろう。それらが、その時代に牙を剥く恐怖は、もっと得体のしれないものであるはずなのだが。今回の描き方だと、原作を知らなければカーンは高々20数世紀から来た未来人のようにしかみえなかった。また、他のカーンが、彼が邪悪だからみんなして量子世界に閉じ込めたのであれば、彼が倒されたあとのカーン評議会が見劣りしてしまうだろう(まだ生きてるかもしれないが)。強敵であるべきカーンの描き方について、若干フェーズ5自体が心配というのが正直なところだ。

また、人類が退治するべき敵の正義は、大きなねじれとともに描かれるべきだと思っている。サノスがまさにそうだが、それすらも食傷気味ではあるのではあるのだが。たとえば現実で起きている戦争1つとってもそう単純ではない。今回の映画でここまでカーンの破壊行為を露出するのであれば、彼なりの正義の片鱗をもう少し見せてくれてもよかったのではないかと思う。
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