電気羊

鬼手の電気羊のレビュー・感想・評価

鬼手(2019年製作の映画)
3.9
マッチョの格闘で血飛沫飛び交うバイオレンス・アクション囲碁映画。
囲碁を打つには筋肉と格闘技をマスターしなけらばならんとは知らんかったが、少年漫画のノリで面白かった。
料理漫画では料理の美味さがその世界の優劣を決め、カードゲームアニメでは、カードバトルがその世界の優劣を決める。
この作品の世界では、囲碁が世界の優劣を決める。

主人公の少年は、両親と別れ姉も高名なプロ棋士にレイプされて自殺し、天涯孤独の身となる。主人公は、生きる手段として父親から教わった囲碁による賭け囲碁勝負の買った金でその日をしのいでいた。
ある日、主人公は、その囲碁の才能に目を付けた片腕義手の賭博師により、山里で暮らしている囲碁の達人の元へ連れていかれ囲碁修行へ入門する。
主人公は、数年にわたる修行の末、碁石の配置の驚異的暗記力と次の一手のスピードを手に入れる。

賭博師は、成長した主人公の能力を自分の賭け囲碁の八百長に使い大金をせ占めることに成功する。
だが、その八百長をヤクザに見破られ賭博師はヤクザに刺殺され、主人公ももう一人のヤクザに殺されそうになるところを危機一髪逃げおおす。

それから数年、筋トレをしながら囲碁修行を行う主人公は、自分を認めてくれた賭博師の仇を討つため、生前の賭博師から訪ねて行けと言われていた賭博囲碁の仲介人の元へ行き、賭け囲碁で自らの実力を測る。連戦連勝を治めた主人公は、自分と賭博師の仇を討つため囲碁勝負へと向かう。

初めの相手は、賭博師が囲碁勝負に敗れた代価として、片腕を切ることになった霊感を持つ囲碁占い師の元へ行き勝負を挑む。賭博師は、占い師に自分の不幸を見抜かれて動揺し敗れたのだった。
主人公は、同じように占い師から姉のレイプの末、首つり自殺したことを霊視され動揺するが、強烈な意思で占い師に勝利する。

その頃、主人公と賭博師との八百長囲碁により全財産を失って自殺した男の息子が、父の仇として主人公を狙っていた。
息子は自ら作成した、囲碁対戦で取った石の重さにより作動する暗殺囲碁盤で、主人公の師匠と対局、敗れた師匠は囲碁盤の暗殺機作動により殺害される。
主人子は次の相手として、賭博師を殺害したヤクザの舎弟に肉弾戦を挑み、完膚なきまでに叩きのめし、ヤクザとの勝負でも全財産と権利書を奪い取る。全てを失ったヤクザは命を賭け主人公に線路上で囲碁対局に挑む。
次の列車が迫る中、勝負に勝った主人公は列車を避けるが、ヤクザも恐怖に負け命乞いをする。ヤクザの命を助けたのと引き換えに、賭博師と自分を襲ったもう一人のヤクザの居場所を聞き出し、そのアジトに乗り込む。襲撃してきたヤクザ一味を叩きのめし、ついに、復讐完了へ最後の相手へと迫る。

それは姉をレイプし自殺に追いやったプロ棋士だった。主人公は命を救ってやったヤクザを利用し、プロ棋士の娘を誘拐させ自分と勝負するよう要求する。
勝負の条件は、プロ棋士が主人公に負ければプロ棋士が死ぬか娘を殺すと言うものだった。

だが、プロ棋士と対決の前夜、主人公を父親の仇として付け狙う暗殺囲碁盤を持つ男が現れる。男は、仲介人を人質に捕り主人公に暗殺囲碁盤による勝負を挑む。
対局が引き分けになった男は、刃物により主人公に襲い掛かるが激闘の末、敗れ去る。

満身創痍の主人公は、プロ棋士とその弟子100人を相手にする対局の場につき、遂にプロ棋士を負かす。
その碁盤には黒石で死の文字が配置されていた。プロ棋士を姉と同じように首吊り自殺をするよう仕向け、その死を見届ける。

姉の霊魂の安息だけを生き甲斐にしてきた主人公は、復讐を遂げ仲介人と別れるが、主人公の名前を知らない仲介人により「鬼手」と名付けられるのであった。
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