旅するランナー

藁にもすがる獣たちの旅するランナーのレビュー・感想・評価

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)
4.3
【アンラッキー・ストライク、あるいは、サメとカモのコインロッカー】

10億ウォン紙幣が入ったルイ・ヴィトンバッグをめぐって、悪い奴らが右往左往します。
曽根圭介の同名小説を韓国で映画化していて、ストーリーの繋がり具合が非常に面白い。
ちょっと間の抜けた悪人たちの脱力気味のシッチャカメッチャカぶりが、伊坂幸太郎とか誉田哲也小説をも想起させます。
それと、タバコとかニックネームとかを、うまい具合に使ってます。

俳優たちも一癖二癖あります。
イケメン俳優チョン・ウソンの珍しい二枚目半ぶりを楽しめます。
チョン・ドヨンの悪女ぶりも素晴らしいです。

そうなのです、みんな悪い奴なのに、どこか憎めないのです。
それでも、そいつらがヒドイ目に遭うと笑っちゃいます。
お見事なクライム・サスペンスです。