ノラネコの呑んで観るシネマ

エルヴィスのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.7
160分観応え聴き応え十分。
私的バズ・ラーマンのベスト。
これはドルビーシネマで観るべき案件だったかな。
エルヴィス・プレスリーの生涯を、彼のマネージャーだった、自称トム・パーカー大佐の目線で描いた物語。
端的に言えば狡猾な鵜飼に捕まった鵜が、自由を求めて抗う話。
映画の前半は、幼少期に黒人地区で育ったエルヴィスが、 R&Bとゴスペルを土台にロックンロールのスターとして台頭するが、黒人音楽がバックグラウンドにあるが故に、白人でありながら保守派の標的にされる。
後半は、いよいよパーカーによる支配と搾取の構図が明確になり、エルヴィスの自由を求める葛藤が高まってゆく。
何度も上手くいきそうになっても、すぐ搾取の構造に戻ってしまう展開に「もう解放してあげて!」と胸が痛くなる。
これ自体は有名な話だが、オースティン・バトラーとトム・ハンクスの名演もあり、どっちも説得力が素晴らしい。
コンサートシーンの充実っぷりは圧巻で、私は特にエルヴィスのファンではないが、出てくる楽曲全部に聴き覚えがあるのはやっぱり凄いことだ。
プリシラ・プレスリーって80年代に日本でCMに出てたよなあとか、昔メンフィス行った時グレイスランド寄ったなとか、色々思い出した。
ブログ記事:
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