クリーム

秘密の儀式のクリームのレビュー・感想・評価

秘密の儀式(1968年製作の映画)
3.9
娘を亡くしたレオノーラは、お墓参りに行くバスの中でチェンチと出会った。明らかにヤバい雰囲気のこの女にマミーと呼ばれ付きまとわれる所から、始まるサスペンス。チェンチの家は広大な豪邸で調度も衣類上等。チェンチの家で二人の疑似親子生活が始まるのだが、チェンチの義父が現れた辺りから、二人の関係にヒビが入り物語が変化して行く。最初から、ただならぬ様子のチェンチに心を掴まれ不気味な雰囲気も手伝って最後まで面白かったです。古さがカルト的で◎。



ネタバレ↓



ミア・ファローの演技が素晴らしかった。ホントに怖い程、病んでる感が凄い良かったです。内容も前半は、主人公二人とチェンチの母がどんな人物だったのかの謎解き。後半は、二人の奇妙な生活が変化し、チェンチが壊れて行く様子に結末を想像させ、やっぱりと思った所で、更にレオノーラによる義父の殺害。そこまでやるのか…。と意表を突かれて面白かった。
義父にそそのかされ、レオノーラを追いだすチェンチ。親子ごっこを止めたチェンチは、現実の孤独のなかで生きていく事が出来ず自殺する。レオノーラは、チェンチを自殺に追いやった義父が許せずチェンチの棺の側で義父を刺してしまう。悲しい物語だった。
人は幻と解っていてもそれで幸せだと感じて生きて行ける事だってあると思う。妄想みたいな疑似親子でも生きて行く糧になるなら許されてもいいのではなかったのかな?と思ってしまった。
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