あまのうずめ

バビロンのあまのうずめのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.7
1926年カリフォルニア州ベルエア。マニーことマヌエル・トムスはドン・ワラック邸のパーティーの準備をしていた。パーティーには往年のムービースタージャックも来て、ネリー・ラロイは潜り込もうと躍起だ。マニーはネリーを助け邸内に入れた。二人はセットの内側の人になろうと誓う。


▶︎サイレンからトーキーに変わろうとしている映画界の群像劇。監督は『セッション』『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル。今作も前評判には程遠かったのは過去作と同じだった。ただ好き嫌い問わず抑えて損の無い一本で、見終わった感想と咀嚼しての感想は違うモノになるかも知れないとは思った。

チャゼル監督の語る通りこれは『ハリウッドに対するヘイトレターでありラブレター』で、「映画が完全に産業となる前の過激で無秩序で下品で危険な時代を描きたかった」という監督の思惑は思う以上に受け取った。そこは製作総指揮のトビー・マグワイアがあのマフィアのボス役で出演し、あの演技を見せていることからも納得だ。

ハーバード時代からの親友で監督の全作品を担当するジャスティン・ハーウィッツの音楽やセット含む美術や衣装・ヘアメイク、編集も秀逸。
パーティーシーンはゾクゾクしたし、ゴシップ屋(批評家)のエリノアとジャックのシーンは特に好き。にしてもマーゴット・ロビーの魅力たっぷりで彼女の演技を観るだけでも価値があったかも。