拓馬

バビロンの拓馬のネタバレレビュー・内容・結末

バビロン(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

世間では激しく賛否の分かれる映画らしいけど自分は大好きな部類だった。

特にマーゴットロビー役ネリーの一生は深く刺さった。
破天荒で奇天烈で、自由奔放な演技を評価されていた時代から一変、立ち位置、セリフ、声量等寸分のズレすら許されない時代に変わり、その環境に消費され殺されていく。
正直マーゴットロビーの鬼気迫る演技だけでこの映画は観る価値がある。映画好きなら嫌いな人はいないと思う。

ブラッドピッド演じるジャックコンラッドの思想も痛切に感じられた。サイレント映画時代に取り残され、正当な自己評価ができなくなってしまったジャックが親友の自殺をきっかけに終わっていく過程が堪らなかった。
「貴方の時代は終わったが、貴方の時代は間違いなくあった」
映画批評家から指摘されて尚信じ切れない、事実として受け止め切れないジャックの哀愁、その幕引きに只々魅了された。

ただの汚い画、下品な映画という感想で終わらせるには余りにも勿体無い作品であったが、映画館で観ろと言われると確かに抵抗あるなとは思う笑
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