くりふ

ハウスライフのくりふのレビュー・感想・評価

ハウスライフ(2019年製作の映画)
4.0
【インド映画で“Hikikomori”を聞くとは!】

ネフリにて。個人的にあまり味わったことない感覚で、けっこう嵌れた新作インド映画。

これだと90分くらいでよかったな、というダレ具合と、ギャングの娘がカジュアル過ぎてコントになっちゃっている…のが欠点。

ほかは中々楽しくて、結末は心からニヤニヤしてしまった。そう心を引き上げてくれた点を、高く評価したいです。

呑気な映画です。主人公はある理由で家から出ようとしないが、裕福だからそれができる。とはいえ金持ちのボンではなく、自ら稼いだ金でヒッキーを満喫している。

この人物を愛すべきに仕立てたのは、演じるアリ・ファザルの力だと思う。男が見ても、カワイイと思うもの。

相手役シュリヤ・ピルガオンカーって、『ファン』でシャー・ルク・カーンの幼馴染役だったそうだが、ゼンゼン覚えていない…。でも、本作ではキュート微炸裂。好みじゃないし、すごく美女でもないが、すごく可愛らしかった。

終盤、決めの正面カットなど萌えてしまった。

お話は他愛もないが、ギャングの人質を無理やり預かることになり、それがいい具合にサスペンスを…盛り上げてくれない(笑)。ぶっちゃけ蛇足で、主人公男女のやり取り機微だけで、短く仕上げた方がずっと、いい映画になったと思う。

でも、振り返って捨てがたいな、と思うのはこの、ダラダラした脱力加減ですね。

インド映画特有の踊るぞ!撃つぞ!泣かすぞ!…といった“力瘤”がどこにもにない。その見当たらなさ加減に、ちょっとした独自性に、個人的なアンテナが感応したってところでしょうか。

監督は日本好きなのでしょうか。日本発“Hikikomori”はグローバルになりつつあるのでしょうが、インド映画でそれが出て来るとは!主人公の部屋には『隠し砦の三悪人』ポスターが貼ってあるし、ヒロインは日本で英語講師やってたとか言うし。…今度、日本で撮ってよ。

一方、『Sholay』(1975)が、ヒロインをより知る映画として登場するので、日本語字幕版で見てみたくなりました。

総体“変人味濃いめのラブストーリー”かな。でも、段々薄味に均されますね。味付けは好み割れそうだが、当たればホンワカできるかと。

<2020.1.31記>
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