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アンテベラムのboaaaaatのネタバレレビュー・内容・結末

アンテベラム(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

冒頭のあらすじだけ知ってる状態で見に行ったやつ。
最初のギミック発動までなげー。てっきり眠るたび交互にエデンとヴェロニカが入れ替わる感じかと思い込んでたので、うっかり途中から普通の南部奴隷制ものの映画を見に来た気分になっていた。忘れた頃にベロニカパート始まった。

あらすじで見て精神的なやつかと思ってたらがっつりフィジカルのオチで、わりとわかりやすいとは思う。六週間後とかいちいちテロップ出すのに最初に西暦が出てこないのと綿花を焼却している違和感で、途中でこれヴィレッジなんだなと思いながら見ていた。
ちゃんと考えると、悪役側のやってることのあほらしさに萎えそうになるんだけど、別にこのオチだけが主題ってわけでもないのでそれは別にいいんだろう。
じゃあやりたいことはなにかっていうと、それは当時のことだと思って見てた観客に、同じことが現代でおこなわれたとしたらどれだけやばいことなのかを実感させることなのかもなーとも思う。
ジュリアの顛末、現代の出来事だと思うとありえなさが急に2倍くらいでわきおこってくるのが不思議だった。

ジュリアとダニエルのくだりが最悪でよかった。人種差別とマチズモの最悪ミックス。あとエリザベスもかなり最悪なんだけど、父親の後始末をさせられてて尻拭いをするのは女性って言ってて、そこはそこで家父長制的な苦しさもあるんだろうなとも思う。思うんだけど、ダニエルもエリザベスもノリノリで加害してもろて。
黒人が権利を主張して白人の権利が損なわれてるようで気に入らないという気分はなんとなくアメリカ社会の意識の底にあるんだろうとは思う。ヴェロニカの友人はわりと強引だし押しの強い人として描かれていたが、だけどだからってあのテーマパークが許されていいわけじゃないっていう描き方に思えてフェアでよかった。あとあの友だち2人側のタクシーめちゃ楽しそうでそれもよかった。

ラストシーンのジャネットモネイの疾走にぐっとくる。
最後に出てくる南北戦争の風景はたぶん心象風景とかなんだろうけど、さすがアメリカ、テーマパーク内で砲弾使ってデモンストレーションやるのかーとも思ってしまったが。

あとマリグナントと同じ日に見たんだけど、妊婦が酷い目に遭いまくっててやだった。映画に出てくる妊婦、ちゃんと出産できる率低すぎ。
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