炭酸煎餅

暗闇でドッキリの炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

暗闇でドッキリ(1964年製作の映画)
2.8
邦題にやる気を感じられない「ピンク・パンサー」シリーズ全体の2作目、かつ前作「ピンクの豹」の副主人公、クルーゾー警部の主役シリーズの1作目。あなややこしや。

前作のマクガフィンである宝石"ピンクパンサー"と主人公とされていた"怪盗ファントム"も登場しないために続編らしいタイトルにはしなかったのかな、と想像されますが、結局以後のシリーズはこのままクルーゾー警部を主人公にして展開され、クルーゾー周辺のレギュラー要素(クルーゾーの使用人兼カラテの弟子・ケイトーや、クルーゾーからのストレスでだんだん狂気じみていく上司・ドレフュス本部長など)も本作で登場しているため順番で言うと普通にこれが「2」相当だと思っていいんじゃないでしょうか。私は以前、すっ飛ばしてずっと後年のリブート作まで既に通しで観ちゃったんですが。(「ピンク・パンサー2」以外。なんでこれだけどこも配信無いんでしょう?)

話の内容は「豪邸で発生した連続殺人事件を探偵役のクルーゾー警部が捜査する」という普通に本格ミステリ的な物で、クルーゾーの捜査・推理能力は前作よりはちょっと落ちてるかな?という感はありましたが、「あちこち引っ掛けて壊したり転んだりぶつかったりするドジっぷりだが仕事自体には真面目に取り組んでいて実は勘も悪くなく、その悪運の強さで危機は全部すり抜けて最終事件を解決してしまう」というシリーズ主人公としてのキャラクターは既に本作でほぼ完成されており(今作については解決?かはちょっと怪しいんですけどw)、主人公交代後のシリーズ1作目として安定感のある手堅い仕上がりになっているように感じられました。

古い作品(61年前!)ですからギャグのセンスは流石に古臭くはありますが、地味な天丼ネタなどでクスッとなれる、楽しい作品だったのではないかと思います。
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