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ウィズアウト・リモースのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)
1.8
シリアでの人質奪還作戦に参加した米海軍特殊部隊ネイビーシールズ。案内役のCIAリッターに騙されロシア兵と戦う羽目になった上級曹長ジョン・ケリーは怒り心頭だったが、何とか無傷で任務を終えた。三か月後、臨月の妻をフォローするため除隊して警備会社勤務を決めたジョンだったが、突如悲劇に見舞われる。深夜、武装した一団が自宅に乱入し、彼に重傷を負わせて妻を殺害したのだ。シールズのチームメイト2人も既に狙われ命を落としており、上官のグリア少佐は何らかの陰謀が進行していると疑うが、CIAは調査をしない気のようだ。実は、シリアでの作戦中に交戦し命を落としたロシア兵ユーリ・ゼリンがFSB長官の息子だったため、復讐のためロシアが刺客を放ったというのが真相だった。復讐も終わり、痛み分けでこれ以上追求しないというのが国際緊張を避けたいアメリカ政府の方針なのだ。我慢できないのは、ただ1人生還したジョンである。彼は妻を殺した武装チームの頭を見つけ出すため、ロシア大使館の要人ワシリエフを襲撃。仇の名がビクトル・ルイコフであることを聞き出した…



「ウィズアウト・リモース」

満を持して登場のamazonプライム映画。ソッリマ&シェリダンという「ボーダーライン2」コンビの新作、あるいはマイケル・B.ジョーダンの最新主演作品という文脈で語られやすいけど、俺にとってはクランシーの異色作「容赦なく」の待望の映画化作品として見たい。原作は、ジャック・ライアンに影として仕えたのちに国際特殊部隊レインボーを率いることになる〈ミスター・クラーク〉誕生の瞬間を描いた、読み応えある一編でした。私怨から麻薬組織と戦う、いわば「狼よさらば」みたいな話だったんだけど、映画版は流石にプロットは変えられています。とはいえこれはこれで面白い。対ロシアの仁義なき私闘。なかなかカネもかかっているし、変に複雑にしてないし、良かったです。ライアンシリーズとしてのリンクは、グリア少佐の存在。彼女は、ご存知グリア提督の姪という設定。もちろんCIAのリッターは、「今そこにある危機」でライアンと対決した、あのリッターですね。

…そしてエンドクレジットのエピローグでは、「レインボー・シックス」の映画化を示唆。クランシーファンには震えがくる終わり方でしたなぁ!
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