ShinMakita

胸騒ぎのShinMakitaのネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


☆俺基準スコア:2.3
☆Filmarks基準スコア:3.4




夏休みにイタリア旅行を満喫したデンマーク人夫婦のビャアン&ルイーセの元に、オランダからハガキが届いた。イタリアのヴィラで意気投合した夫婦パトリック&カリンからだ。「良かったら、オランダの田舎で楽しい週末を過ごしませんか」という自宅への招待状だった。パトリック夫妻は気さくで楽しいし、幼い娘アウネスもパトリックの息子アーベルと遊んでいたし、行ってみようかなと意見がまとまったビャアンとルイーセ。早速クルマでオランダに数時間かけて向かい、パトリックの家に着く。小さめの部屋、アウネス用の床直敷ベッド、ベジタリアンのルイーセにイノシシ肉を振る舞う…などなど、親切な中に妙な違和感とシコリを残すパトリック夫妻の歓待が気になったビャアンたちだが……


「胸騒ぎ」


以下、先天性ネタバレ症。

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元々俳優として知られているクリスチャン・タフドルップの監督作品。IMDbのトリビアによれば、カタルーニャ旅行したタフドルップさんが仲良くなったオランダ人夫婦から自宅に招待されたエピソードが本作着想の出発点だとか。タフドルップさんは結局オランダに行かなかったけど、「もし行っていたら…」の想像が膨らんで本作ということでしょう。誘ったオランダ人夫婦が映画観たら怒るだろうなしかし(笑)

スリラー映画の定石通りじゃない特徴は劇伴ですね。全く怖くも何ともない平和なシーンで思わせぶりなスローモーションに併せてスゲー不穏な音楽が流れるの。んで、いざ本当の恐怖が明らかになる車内シーンでは、もう諦めたかのように平穏な曲が流れていくという…逆に絶望感が上がりますよね、この演出。もう詰んでいて逆転は無いと宣言しているかのようでした。

ブラムハウスでリメイクも作られているようですけど、本作のキモの一つがデンマーク人とオランダ人というキャラ設定。17世紀にスウェーデン相手に共闘した仲である(互いにスウェーデンをdisるシーンもありましたよね)ことと、「外国人の友人がいるっていいよね」というビャアンのワクワクと好奇心が誘いに乗ってしまった理由の一端だと思いました。近いのに言葉がかなり違うのも、劇中のイライラを増加させる効果がありました。ハリウッドリメイクがこういう「違う国」要素をどう料理したのか気になります。アジアなら、日本と韓国でやればしっくりくる気も。「北朝鮮むかつくよねー」で意気投合…いやいや、韓国&中国でやって「日本ムカつくなー」で意気投合か。



ところで、パトリックたちの「目的」は一体何なんでしょうね。単に子供をとっかえひっかえする快楽殺人誘拐犯じゃ無いでしょ。子供攫って人身売買じゃないかなあと推察。買い手がつくまで夫婦で育てて、買い手つかなかったら始末というあくまでビジネスな行為かなと。だから無職で生活できるんだよね。しかし、一家丸ごと消えてたら、警察も動きそうなもんだけどな…
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