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名探偵コナン 緋色の弾丸のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)
3.8
このシリーズには、毎回、時事的なトピカルな話題が盛り込まれるのだが、今回の劇場版24作目には、世界初の真空超伝導リニア超特急が登場する。しかも、明らかにオリンピックを模したと思われる「WSG (ワールド・スポーツ・ゲームス)」の開催に、このリニアの開通を結びつけるという豪華版だ。コロナ禍のために1年公開が延期されたが、東京オリンピックを意識したつくられたシリーズとしても豪華な舞台設定の作品だ。

あいかわらず宣伝のチラシの文章には、総ルビが振られていて、これが子ども向けのアニメーションであったという痕跡を残してはいるが、はっきり言って毎回思うのだが、もうその脚本は完全に大人向けに書かれたものだ。今回は、シリーズ2つ前の「ゼロの執行人」(2018年)と同じく、櫻井武晴が脚本を担当しているが、かなりストーリー展開も一筋縄ではいかず、まったく一般のミステリー映画としても通用するものだ。前回のシンガポールを舞台にした「紺青の拳(フィスト)」(2019年)が、ややリアル感にかけた展開だったが、また元の本格路線に戻った気がした。前作も嫌いではないが、観応えという点では、こちらに軍配を上げたい。
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