セガール幹事長代理

セイント・モード/狂信のセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

セイント・モード/狂信(2019年製作の映画)
3.0
クリスチャンである在宅看護師が患者に宗教を押し付けだして引かれる話。

ハードなキリスト教徒って豆と野菜と葡萄ジュースしか口にしないと勝手にイメージしていたが、ポテトやハンバーガーみたいなガッツリしたジャンクフードも食べてて途端に親近感が湧いた。

主人公が宗教を他人に押し付けるのは信仰心というよりむしろ、ちょっと仲良くなったら嬉しくなって自分の得意分野を早口で話しがちなオタク的動機が強いのでなんとも物悲しい。女性のいる店で「え~物知りなんですね~(ネイルチラチラ」って言われたら自発的にドリンク頼んでしまうし、なんならちょっとその時点で相手のこと好きになってる現象と一緒です。

信仰している神様を否定されたら、逆ナンに近い形できったないおっさんとセックスするのだって、思い通りにいかないとすぐ癇癪を起こす子供を見ているようだ。
普段地味な生活してる彼女が男を誘う場面で装備する胸元の開いたエロいワンピース+ボロボロのコンバースというちぐはぐなファッションからも、あー友達マジでいないんだなあ、っていうのが痛いほど伝わってくる。ワークマンのドカジャンが勝負服の私が言うんだから間違いない。

壁を覆うロザリオやキリスト像の小物で一見キザな宗教映画にも捉えられるが、蓋を開けてみたらなかなか濃厚な孤独の一人芝居。胸を打たれる。
来世では幸せになって欲しい。