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ハニーランド 永遠の谷のBOBのレビュー・感想・評価

ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)
4.0
北マケドニアで暮らす欧州最後の自然養蜂家の女性を追ったドキュメンタリー。

"Take half, Leave half" 「半分は私に、半分は蜂に。」

撮影期間が3年、400時間以上にも及んだという超貴重な作品。本作を観なければ、知り得なかった世界だと思う。

人間と環境の共存について考えさせられる。寝たきりの母親を看病しながら懸命に生きる主人公と、その隣に引っ越してきた大家族との対比。自然とともに生きる者と、生活のためとはいえ自然を"搾取して"生きる者。自然を"搾取"しながら暮らす様子が、自分たちのことを見ているようで胸が痛くなる。一度壊れてしまった環境は、簡単には元に戻らないことを改めて痛感させられた。少なくとも「いただきます」「ご馳走様でした」の精神は忘れないでいたい。

主人公が行き場を失った亀や溺れかけた蜂を助けてあげるシーンが強く印象に残った。大家族の裏に資本主義社会の影が見える所も気になった。

採れたての蜂蜜が死ぬほど美味しそう。

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