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ハニーランド 永遠の谷のIMAOのネタバレレビュー・内容・結末

ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画の前半で主人公の女が蜜を採りながら語る。「半分は蜂に、半分は自分に」これがテーマだ。

マケドニアのある地域で自然の蜜を摂りながら暮らしている女。目の見えない母親を介護しながら暮らしている。彼女は採れた蜜を町で売って細々と生きている。しかし、ある日隣に家族がやってきて彼らも蜜を採り始める。最初は友好的に暮らしている彼らだが、次第に家族の夫が利益のために蜜をたくさん採るようになる。彼には家族があり、そうした選択をせざるえないのだ。だが、彼が蜜を多く採ってしまったために女が採る分がなくなってしまう。やがて家族は去ってゆく。女は取り残される。冬が来て、女の母親が亡くなる。彼女は一人取り残されるが、また山に蜂の巣を採りに行く。季節がまた繰り返される…

3年の月日をかけたということもあるが、よくこの題材で撮ろうと決断したとも思う。何よりも画のセンスが素晴らしい。(引きの画が映画なのだ)大量の素材を撮ったと思うが、構成も見事。ドキュメンタリーはやはり編集が命である。母親が亡くなるというシーンが無かったら、ちょっと弱い作品になったかもしれない。そこを狙っていたのかもしれないが、それを踏まえても、映画を撮ることの意味も考えさせられる作品。
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