よし

ひとくずのよしのレビュー・感想・評価

ひとくず(2019年製作の映画)
3.8
最初から話がハードで、観に来なきゃよかったな、と後悔したのですが、最後泣いて帰りました。(またか)
シリアスなシーンの中に笑えるシーンもあり、このバランスが良い。
焼き肉のお父さん…😙

初めは『万引家族』に似ているのかなと思いましたが、そうではなくて、上西監督の『万引家族』へのレスポンスがこの映画なんだろうなと思います。
『万引家族』は、道徳だったり倫理観だったり、一般の人が普通に生活していて得られるはずのものを得られなかった(与えられなかった)人々の集まり、なのだと思っているのですが、『ひとくず』はそれを与えてこなかった人々もまた、与えられなかった人々なんだと言います。
そうだとすれば、虐待児の親をどれだけ糾弾したところで虐待は減らないし、犯罪を犯す前に頼れるものがあれば良いのにと思いました。月並みですが。

ただ、『ザ・昭和』という感じの映画です。
昭和部分が強すぎて、映画というよりも2時間ドラマみたいな雰囲気になってしまっていて映画としては評価が下がってしまったのですが…
最初からジャブじゃなくて、本気でぶつかってくる映画なので、観終わると相当疲れると思います。

あと、最初に『10ants』というロゴが出てきて(後で調べたら監督の劇団名らしい)、その時は気にしてなかったのですが、最後にも『10ants』のロゴが出てきて、これって『蟻が10』で『ありがとう』ってこと!?
と、ここにも昭和を感じてしまいました。ここまでくどいと、正直好きになってしまいます☺
よし

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