Inori

プロミシング・ヤング・ウーマンのInoriのレビュー・感想・評価

3.4
観る前から大体どういう話か分かるものの、主人公の行動の理由や一体どういう心理であの行動に出るのかが、少しずつ明かされる手法がおもしろかった。ごく普通に未来明るい女性が、男たちの「若気の至り」の行動で人生全てが狂わされる〝その後”の生き方が迫ってくる。題名にも被害者のそれまでとその後のギャップが表されているように思う。

主人公は友達もいないし夜な夜な出かけて何してるか家族は分からないんだけど、家族はホント彼女のことを愛していて、それがまた、誰かに狂わされた人生だと思うと切ない。ラストが私としては映画だなぁとは思ったがそうでもしないと物語が浮かばれないんだろうなと理解した。

若い時に間違いを犯したけどよくあることだし揉み消しておこう、みたいなことはいい加減なくならないのだろうか。観る方も疲れるんだが。変わらない現実に腹が立ってくる。こちらが疲れたからといって問題はなくならないし、作り続ける意味もあるんだろう。

タイ映画『心霊写真』を思い出した。
Inori

Inori