このレビューはネタバレを含みます
痛快な復讐劇でも、ダークなエンタメでもない。
性的暴行における加害者ー被害者の受ける傷の非対称性とその痛ましさが本作のテーマである。
若気の至り、ボーイズクラブのノリ、男の子の遊び、酔ってよくあること....
これらの言葉で加害者と社会が済ませる事件にニーナとキャシーは死ぬまで拘束されている
作中の「彼にニーナの名前が付いて回るべきだった」というキャシーのセリフは本当にそうで
性的暴行の被害者は報われないどころか信用されず、中傷されティッシュみたいに社会から流される
女性を見下しているのは医大卒のpromising young menに限らず場末のバーにいる話通じない男たち工事現場で働く男たちもそうで、誰も彼もティッシュのようにキャシーを詰って軽視してボーイズクラブで笑い合う
お前の肩は俺が持つぞって、泣きながら庇いあってるシーンはやり過ぎなくらい醜悪でもあった。
独身パーティーの翌日の朝、爽快に空が晴れているのには笑ってしまった
ビッチで、堕落した、イカれたサイコ女が死んで平穏が戻ったよ、とでも言いたげな晴天、強烈な皮肉
全部を犠牲にしたキャシーとニーナにできたのは結局ボーイズクラブの評判にちょっと爪を立てるくらいで、あまりに非対称だよね
痛ましい。
これが爽快劇とか言ってるレビュー見るとちょっと不安になるよ