ぶみ

プロミシング・ヤング・ウーマンのぶみのレビュー・感想・評価

4.0
エメラルド・フェネル監督、脚本、キャリー・マリガン主演によるドラマ。
主人公となる元医大生で昼と夜で別の顔を持つカフェ店員の姿を描く。
主人公キャシーをマリガンが演じているほか、ボー・バーナム、アリソン・ブリー等が登場、冒頭にあるキャシーの夜の顔のシーンが面白く、その世界観に一気に引き込まれることに。
物語は、キャシーの行動を時にポップに、時にスリリングにと描き出し、なおかつ、かつての同級生との恋物語を絡めながら、全てはある信念のもとに行動していたことが炙り出されていく展開が秀逸。
本作品では、直接的な描写や、誰が良い悪いといった表現を極力廃しつつも、旧来から社会に蔓延る、皆頭では分かっていながら中々口にすることのない重いテーマを鮮やかに顕在化させ、観る側に突きつけてくる。
そのため、一応ラストにオチはあるものの、果たしてそれで良かったのかどうかが問われるものとなっている。
唯一、不満があるとすれば、キャシーの設定が30歳となっているが、流石にマリガンが演じるには年齢的に厳しさを感じ、製作にクレジットされているマーゴット・ロビーでも良かったかなと。
ただ、それも本作品が狙ったところなのかもしれないと、観終わってから考えさせられた次第。
コメディやスリラーといった様々な要素をミックスさせ、先の読めない展開で鮮やかな逆転劇を描きつつ、作品全体から強烈なメッセージが放たれるとともに、エンタメ作品として面白かったものの、単純にそう表現することが憚られそうになる良作。

説明不能なほど、考え抜いた結果よ。
ぶみ

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