しばにゃん

プロミシング・ヤング・ウーマンのしばにゃんのレビュー・感想・評価

3.3
アカデミー脚本賞受賞の復讐劇という事で、どんなもんかと期待し過ぎたら今ひとつ乗り切れなかった。

もっと爽快な復讐劇を期待していたのだけど、やっぱり復讐は何も生みませんね。

復讐劇のカタルシスってのは、
・死んだ友が如何にいい奴か
・友と主人公の絆が如何に深いか
・悪役が如何に卑劣か
の3要素の相乗効果で決まってくるんだけど、本作はそれがどれも希薄。

そして、おそらくあえてそれらを希薄にした脚本にしているんだと思う。

本作の本質は爽快な復讐劇に非ず、おそらく女性はあらゆる場に於いて常に男性からの性暴力の危機に面しているというメッセージが込められているんだと思う。

国民性の違いかはわからんけど、ここまで行く先々で男に絡まれる主人公の姿を見ると、俺も男として女性に恐怖感を与えてしまっていないか不安になる。

復讐を受ける人間たちは声を揃えて「当時はガキだった」と言い訳するけれど、若気の至りのセックスが人の心にどこまで傷を付けるかなんてわかったもんじゃない。
少なくとも自分がそういう若気の至りセックスにあやかる事が出来なかった陰キャでよかったと思います。
しばにゃん

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