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プロミシング・ヤング・ウーマンのUMIのレビュー・感想・評価

3.8
たとえ相手がどんな状態でも、尊厳の守られない構造はどこにも存在していいわけがない。そんなの社会の中のあらゆるルールにはわかりやすく規定されているはずなのに、性別が違うと受け入れられないことや、どうにもならないことに成り下がるのが割と頻繁にありえる。
その被害の下に崩れ去っていった人間の感情は、そのうち生きることそのものを蝕むし、黙ることも忘れることもできない苦しみは、自分が味わわない限り誰にも伝わらないんだろう。どんなに泣き叫んでも、喚いても、ブチ切れて見せたとしても、それはきっとパフォーマンスとしか取られないまま、失われたものを忘れるよう仕向けられる。戻ってこない。"痛快な展開"なんで起こらない。なぜならそこには圧倒的な力の圧力と、社会の圧力と、得られないパワーがあるから。ねじ伏せられた側は、ひっそり隠れるか消えるしかないんだ。
弱さを認めろ、なんて、よく言うよね
その弱さは誰かが作ったものかもしれないのに。
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