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映画 えんとつ町のプペルのmosanのレビュー・感想・評価

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
4.0
要所要所のシーンはとてもぐっときたり、綺麗な絵だなと思うことが多かった。そして、メッセージ性もある。

ただ、映画って2時間の中での緩急や繋がり、ストーリー性があってこそだとだと思うので、そういう意味では切り貼り感があったなぁ。
ここは、挑戦する人が石を投げられるシーン、ここはトモダチの大切さを伝えるシーン、みたいな。

伝えたいことを伝えようとしすぎてる感(パンチライン過多)というか、イイハナシが多すぎというか…
台詞やナレーションで直接的に説明しすぎなのか、観る人それぞれが感じとるための余白がないというか。さながら、観る自己啓発本。

実際、西野さんの書籍にでてくるお金の話とかもはさまれてる。
わかる、超わかる。大人にも子供にも考えてほしい夢を持つこととかお金のこととか、伝えたいことを伝えたかったのだろう。
だけど、それを今回の1本の映画にぎゅっとはもったいない気がした。

西野さん自身はたぶん映画の主人公さながら、めちゃくちゃ頑張ってきたのだろう。それが映画から伝わってくるから泣ける(想いの強さでなぜか泣けたけど、感動とはまた違うような…)。
だからこそ、なんかもったいないのだ。
どうも綺麗ごとに昇華されすぎてるというか。もっと雑味があっただろうに。

今回のこれを観てしまうと、人生をかけて伝えたかったすべてのメッセージをここに込めました!感が強くて、次の映画があるとしたらたぶん同じような内容を見せ方変えて出す感じにならざるを得ないのかな、と想像している。

のと、ビジネスセンスはあるけど、映画のセンスはなさそう。
冒頭の世界観への引き込みから、ハロウィンダンスシーンが突如始まって愕然とした。

ど田舎の映画館で、観客数もそんなに入ってなかったのにエンドロール後の例の拍手がおこってくりびつ。
いや、ほんとに感動して拍手してるならいいんだけどね(それが映画の出来か西野さんの生き様かはこの際問わない)。

ただ、それが事前に西野さんがそれあったらうれしいな〜的なことを言ってたから、というのを見かけて、ゲッとなった。
ライブ中に、「お前ら手をあげろー」的な煽りをするミュージシャンの行動がとても嫌いなのだが、それと同じ嫌悪感を感じてしまった。
あなたに言われなくても、あげたかったらあげるし反応の仕方はわたしが決めるわ!と。

まぁ、西野さんの場合はそれもマーケティングの一環なんだろうけどね。
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