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るろうに剣心 最終章 The Beginningのpikaのレビュー・感想・評価

2.5
題材自体が映画向きだしここまで積み上げてきたんだから失敗しようがないのに、、、なぜこうなったーー!?!?作り手が自分に酔ってる(役者以外)感が半端ない。とりあえず1.5倍速してくれ。見てて「早く先に進まないかな?」以外の感情がなかった。
いや、冷静に考えれば安定のクオリティだったのかもしれない。1作目は「実写化クオリティすご!!」の満足感で満たされ、「京都大火編」は怒涛のアクションに満たされただけで、確かに「伝説の最期編」で怒り狂ったし「FINAL」は不満だらけだったし思い返せば納得の完成度だったのかも。。。

構成はBIGINNINGを先にして最後にFINALの方が良かったんじゃ。。この完成度だと先にダイジェストで話がわかってるってのが足かせになるように思えてならないし、FINALだけ先に見たときのオチの説得力が薄いから順序は逆の方がすんなり見れたのではないかと邪推してしまう。BEGINNINGがまさかFINALで流れたダイジェストを単に引き伸ばしただけで終わるとは思わなかった。

原作にはあるモノローグを全消しして映像だけで語りきろうとした姿勢は買うが結果としては無謀でしたねとしか思えなかった。モノローグがないとわからない=演出で伝えきれてないわけで。
追憶編の中で一番少年漫画的である辰巳戦でモノローグを入れなかったのは、雰囲気を大事にしてトーンを守ろうとした意図から理解はできるんだけど、演出でも見せきれない、モノローグも入れられないってたどり着いた答えがアレってのはさすがに酷い笑。
剣心の「それがどうした!?」ブチギレ無双見たかった。。

BEGINNINGがいまいちだったのは、るろ剣シリーズで最も重要な要素であるバトルシーンがほとんど効いてなかったことなのかなと。辰巳戦のアレっぷりは置いておいても、原作の時点でバトルシーンが最後しかないからオリジナルで作るしかなく、そこでvs沖田総司戦を入れたのは凄く良かったけど、そこしかなかったというか、1対1バトルはめちゃくちゃいいのに多勢に無勢バトルはいまいちってのが物足りない。後ろがガラ空きなのに攻撃してこないご都合主義っぷりに演出が透けて見えて作り物感が増してた。

剣心と巴の名シーンで佐藤健が有村架純の生首抱いているようにしか見えず、出たきた瞬間に吹いた。原作読み返したら原作の構図はちゃんとしてたからオリジナルかよと驚いた。生身の人間で演じたらなおさら不自然な格好だろうに一体なんなんだあれは。しかも佐藤健の方が顔が小さいから生首感がさらに強かった笑。あんな不自然な状態でリラックスできねーよって台詞全く頭に入らなかった笑。
バトル後の半日も不自然。意味はわかるけど他になんかあったんじゃねーか?という違和感は拭えない演出。
そういうふうに気になってしまうともう終わりで、覚めるというか冷めてしまった。

このシリーズは佐藤健に頼りすぎシリーズだったんだな。役者陣の再現度も演技もレベルが高かったんだけど、モブキャラが出てくると棒読み演技の違和感が凄いことになる。東出くんとかの意味ある棒読みじゃなくて主要キャストとのバランスが取れてない素人感のある浮き方していて冷めてしまう。俳優頼り過ぎて、演出で処理しきれてないのかなーとか思っちまう。あと演技良かったんだけどやっぱ有村架純ちゃんはミスキャストだなぁと。ヅラのせいなのか何なのかわからないけど巴ではなかった。
安藤くんの高杉晋作めちゃくちゃ良かったのでもっと見たかった。

私は原作厨で、配偶者がるろ剣ならなんでもござれ!で特に「追憶編」厨なので見終わって感想を聞いたら楽しんだそうで良かったねと思ってたら、OVAを完コピ再現していたから感動したと聞いて驚いた。
FINALのダイジェストで見て疑問だった巴による頬傷の付け方の改変部分は今作を見ても謎のままだったんだけどOVA通りだったそうで、沖田総司戦も、モノローグなしも、全部OVAと同じだそうで。ということはOVAをそのまま実写化しただけ!?意味あんの?

これで終わりか。。結構楽しみにしてたんだけど作品が作られるごとに期待値は下がり続けていっていた気もする。ありがとう、そしてさようなら!!
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