回想シーンでご飯3杯いける

劇場版 Gのレコンギスタ II ベルリ撃進の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.8
「ガンダム」シリーズの原作者、富野由悠季が、「∀ガンダム」以来15年ぶりに総監督を務めたTVシリーズの劇場版。ほぼTV版まんまだった第一部に比べて、この第二部では明らかに劇場版ならではの方向性が表れている。

初代「機動戦士ガンダム」から共通する世界観を持ちつつも、独創的な設定や用語を多数持ち込んだ本作の中で、この第二部でキーワードとして浮上するのはキャピタルガードとキャピタルアーミィだ。第一部の段階では何が違うのか分からなかったが、本作では構造を理解できるエピソードや台詞を中心にした構成になっている。

簡単に言えば、起動エレベーターの安全を管理する行政機関キャピタルガードに対して、他国に武力行為を仕掛ける事をに特化した特務部隊がキャピタルアーミー。名前は似ているのに意味合いは違う。日本に於ける自衛隊に対する議論を思わせる部分があって、さすが富野ガンダムらしい風刺性だと感じる。

この第二部の時点で登場しているキャピタル・トリニティーとアメリアの2勢力に関しても、各々一枚岩でない事が浮き彫りになり、更には前世紀から引き継がれる身分制度が社会構造の根底に影を落としている事にも触れられる。この辺りも、単純な勧善懲悪で終わらせないガンダム・シリーズの正当進化系という感じがする。