Dumbo

ファヒム パリが見た奇跡のDumboのレビュー・感想・評価

ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)
4.0
チェスのことはルールさえも知らないけど、
大丈夫でした。

子どもが苦しむ系の映画ならイヤだなぁと
思ったけど、そういう話ではなくてよかった。
むしろ苦しむのはお父さん…


バングラデシュの
チェスが得意な8歳の男の子ファヒム君。
情勢が不安定なバングラデシュから
パリに移住するため、
お父さんと一緒にパリに向かう。
大好きなお母さんと離れて、
後から家族を呼び寄せるために。

インドとの国境を越える時は
ちょっとハラハラした。

パリにある
チェスの塾みたいなところのスパルタコーチが
壁ドン♡じゃない方の、
本当に壁をドン!!て何回も叩くのが怖くて😱
その度に飛び上がりそうになった😓
高圧的な人にトラウマがある私としては
このコーチに対する嫌悪感がすごかった。
ところが、ところが、このコーチ、本当は…


「芸は身を助く」と言う通り、
チェスで自分を、家族を、
助けられるってすごい!
それも、難民センターの人たちや、
チェス塾の仲間たちや、
事務の女性マチルドなど、
周りの人たちがみんないい人だったおかげです。
特にこのマチルドっていう女性が
ファヒム君たちのために奔走するのです。
失礼ながら、フランス人って、
プライドが高くて冷たいイメージがあったけど、
(ごめんなさい🙏)
ここに出てくる人たちは
子どもたちも含めていい人たちばかりでした。
でたらめな通訳をするインド人が、悪い人!!


先日観た『カセットテープ・ダイアリーズ』も
移民の若者の話だったけど、
移民や難民の問題が
社会問題になってる国は多いですね。

バングラデシュも、
雰囲気はインドと似ているので、
インド映画が好きな人はきっと好きだと思う。
バングラデシュの街中で、店先で、
チェスをやる人がたくさんいたし、
ファヒム君も
お父さんにチェスを習ったと言っていて、
バングラデシュとチェスって、
今まであまり結びつかなかったけど、
イギリス植民地時代があったからだろうか?


実話なので、
実際は言葉や文化の違いで
もっと苦労しただろうと思うけれど、
その部分はあまりしつこく描かずに、
チェスのことを中心に
話が進んでいくのもよかった。


ファヒム君役の男の子は、
この映画がスクリーンデビューで、
撮影開始の3か月前に、
バングラデシュからフランスに移住したそう。
すごく演技が上手でびっくりした。
バングラデシュからフランスに来た、
ファヒム君と同じ境遇なので、
その気持ちが演技に表れているようでした。


類まれな才能を持っていても、
ファヒム君が望むのは、
大好きなお母さんに会うこと!

その一途な思いに、涙無しでは
観られませんでした。
Dumbo

Dumbo