望むと望まざるにも関わらず、イデオロギーや政治、権力闘争の余波の中で人生を生きざるをえない人々がたくさんいる。
戦後の朝鮮民族も東西のイデオロギーに分断され、南北に分かれた人々もそれぞれ過酷な人生を歩んできた。
韓国側の政治については、映画などで眼にする機会は多いが、北朝鮮側についてはほんとうに数少ない。漏れてくる情報も多かれ少なかれプロパガンダやバイアス混じりのものだ。
そうした中で本作は統制されていない北朝鮮の共産主義者の若者たちがロシアに渡り亡命してどう生きたかの小さな窓にも見える。
極論かもしれないが、国家を運営する上で貧富の差も問題だが、政治的なイデオロギーで国民を縛ることの惨たらしさを深く感じる。