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マリグナント 狂暴な悪夢のTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
4.6
身重ながら夫のDVに悩むマディソンは、ある日謎の「侵入者」に襲われ、夫は死亡、自身も流産してしまう。その日から、マディソンはその「侵入者」の幻覚を見る上、「侵入者」の実際の殺人現場を幻視するようになる(実際殺人は起きてる)。何これ...わからない...頭痛い...な話。

いや、これ予告編からだけだと何も伝わらないのよ。苦言を呈すとあの予告編じゃ初心者は絶対見ようと思わないからね。でも、「ジェームズ・ワン作品」「R18」ていうのがとにかくめちゃくちゃ引っかかってね。いやあどんなトンデモ作品か楽しみでしたが、これは間違いなく「ジェームズ・ワン作品」で「R18」ですね。やられた。お見事です。

序盤から中盤までずっと???となるのは、もうワンの常套手段。彼は何一つ無駄なピースを作らない。どんでん返しだとか伏線回収だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの大盤振る舞い。テーマとしては実はクラシックなんだけど、魅せ方がマジでエゲツない。昨今のホラー映画作品たちに「お前らヌルいことやってんじゃねえよ」て見せつけに行く、既存コンテンツや原作に頼らない久しぶりとも思える正真正銘の「ホラー映画」です。思いつけない、これは思いつけないし、思いついたとしてもここまで思い切れない。

ただ、完璧にするために後付けにされたピースに少し「システム」を感じてしまったことと、エゲツないものを作ろうとしすぎて後半完璧にジャンルがおかしくなっていて「...これ笑いか?」となるくらいハジけるのが気になったかなあ。それも踏まえて、心に残る一作、というか残ってしまう一作になってしまったかなあ。強烈。

主役であるマディソン役のアナベル・ウォーリスさん、完膚なきまでに「ホラー映画クィーン顔やないか」で素敵です。
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