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マリグナント 狂暴な悪夢のRAMPOのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
3.9
大まかなあらすじは目にしていたので、オープニングには少々戸惑いを感じました(一瞬違う作品と間違えたのかと思ったくらい)。

またそれがある意味ネタバレであるが故に、殺人鬼の正体に謎も捻りもなくなって、どういう展開でその辺を明らかにしていくんだろうって辺りにしか興味が持てなかったんですが、テンポ良く話が展開していくし、グロゴア描写や特殊効果、アクションシーンなんかも気合が入ってて飽きずに楽しめました。

特に殺人鬼の正体、そのキャラ設定やビジュアルが独特で、80年代B級ホラー映画へのリスペクト?も強く感じられて、中々に面白いです。
その出自が例によって“ありがち”な(奇しくも先般観た「Swallow 」と同じ)辺りも、意図した上での“お約束”の踏襲だと思うけど(ややワンパターンさ感じつつも)しっかり掘り下げて描いてくれるので物語全体としては違和感なく一般的な上映時間内にコンパクトにまとまってるし、最後もしっかり“お約束”で締めてくれます。

加えて、舞台としての廃墟(地下)街やまるでモンスター映画に出てくる古城のような研究施設なんかも相まって、B級ホラー映画が好きな方には堪らない作品になってる気がします。

ただ、オチ(ラストシーン)としては、流石にあれだけのことしてタダじゃ済まないだろって辺りは完全に捨象されているので、これをどう感じるかは観る人次第かも。

ポスターやジャケ写からはちょっと想像つきませんが、決してじっくり考えさせられたり深い余韻を残すようなA級感のある作品じゃなくて、レトロ感も漂うB級ホラー作品として完成度は高く(その分、リアリティは殆どありませんが)、その意外性もまた本作の魅力でしょう。

蛇足ですが、私はこれ、吹替え版で観てしまいました。
そのせいでB級感が何割かアップしてる気がします。
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