玉造

ミナリの玉造のレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
3.6
アメリカの大地で夢を追う韓国移民の家族の物語。

不毛の大地で開墾を始めるのは
厳しい。ブラジルに移民した日本人達のドキュメントを観たことがあったが、痩せた大地を開墾し、農業を始めて食べていくまでは何年もかかったという。
病気になったり、餓死したりとかなりの犠牲者も出たらしい。

夫ジェイコブも家族と移住してきたが、そうそう上手くいくはずもない。妻モニカとも口喧嘩が絶えない。息子デビッドと祖母が少しずつ距離を縮めていく様は笑みがこぼれる。がさつな祖母だが、愛情溢れる人だ。
祖母が川辺に植えたミナリ(芹)はたくましくしっかりと根を張っていく。
まるで移民達の未来を願うかのように。

アメリカは移民の国だ。私達は古から日本という島国で成り立っていて、移民達が集まって形成された国ではない。
違う国でそこの国民になるという事がどんなに大変だったことか。

淡々と家族の生活を追う映画だ。これはアメリカ移民達全員の在りし日の物語。
だからこそ、アメリカで評価されたのでは。
祖母役ユン・ヨジョンが相変わらずの好演。
玉造

玉造