一粒万倍日

ミナリの一粒万倍日のレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
3.9
第93回アカデミー賞2021年で、ユン・ヨジョンが韓国出身の俳優として史上初、助演女優賞を受賞した時とても驚き、気になっていた映画でした。

1980年代のアメリカ合衆国。韓国系の移民のジェイコブ・イは一攫千金の夢を掴むべく、妻のモニカと長女のアンと、心臓に持病のある長男のデビッドを引き連れてアーカンソー州の田舎町へと移住する。

農地を開拓して大農場主に成り上がろうという野心を抱き、それまでの安定した暮らしから困難に立ち向かう決断をしての移住だったはずなのに、なぜか妻を納得させることが出来ておらず、喧嘩が絶えない。

異国への移住、農地の開拓といった大きな決断をして行動に踏み切っているのに、妻はいやいやなのだ。
だから家庭の雰囲気は良くない。

そんな中で育っていく子供二人が、二人ともしっかりしている。

モニカの母(ユン・ヨジョン)が二人の子供の世話をするために韓国からやってきて同居生活が始まる。

デイビットとの日常のやり取りの祖母が、韓国ぽくて良かった。
そんな祖母のユン・ヨジョンの演技が自然だった。

同じ方向を向くことが出来ない夫婦のぎくしゃくした生活が崩壊しかけ時に、祖母が脳梗塞で倒れたり、納屋が燃えてしまったりと困難に見舞われる。

祖母が幸せになれると沢に植えたミナリ(せり)が繁殖したように、きっとジェイコブ一家は困難を乗り越える毎に家族の結束が増していくのではないかと、火事のさなかにお互いを探し回った姿から感じました。

アメリカの自然が美しく惹かれました。