このレビューはネタバレを含みます
あれほど騒がれていたのに、
今も苦しんでいる人がいるというのに、
ネコ400号が死んだ時に生まれた世代なのに、
水俣病のことを忘れていた。
成長する企業と政治にとって、
犠牲者は、疎外される物でしかない。
なるほど、僕らは、ミリオンのパーツか
彼らの努力は、
水俣だけにとどまらず、
他の多くの理不尽な犠牲者の闘いの拠り所となるのだろう。
それでも、多くの大衆は、僕のように忘れてしまう。
彼らの苦しみも努力もその成果も、
若者の多くは、関わりのない過去の出来事と思っているのだろう。
そうして、企業と政治家や役人の方々は、
僕たちが忘れることで、
新しい支配を始めるのだろう。
見えない民主主義の支配は、
大衆が愚かであることに安堵する。
水俣や理不尽な企業と政治の振る舞いを
皆で共有できなければ。
僕たちは、いつも、トモコと共にあることを、
忘れなければ。